BRAND STORY

Yetina removes the cold

BRAND STORY

世界で唯一の起毛技術を、冬の定番に

YETINA(イエティナ)は、兵庫県加古川市のニットメーカー「ワシオ株式会社」が誇る独自の起毛技術を活かした、防寒アパレルを展開するファクトリーブランドです。 2014年の設立以来「日本から“寒い”をなくす」というテーマを掲げ、唯一無二の裏起毛生地がもたらす機能性を追求。アウトドアフィールドでも力を発揮する抜群の保温性と、リラックスウェアにもなりうる柔らかく快適な着心地を両立させ、時代を超えて愛用できるスタンダードなデザインに落としこみました。

地場産業である靴下製造を担うべく1955年に創業したワシオは、1970年に高い保温力を持つ独自の起毛技術を開発。特殊な編み構造と起毛加工を組み合わせることで、繊維内に従来以上の空気を閉じ込めることが可能となり、暖かくて肌触り柔らかなニット生地が実現しました。この特許起毛を用いて作られた靴下は、日常のみならず極寒地での活動にも適しており、50年以上にわたって日本の冬の暮らしを支え続けています。 YETINAでは、半世紀に渡って受け継がれてきたその唯一無二の技術をもとに、日常からアウトドアフィールドまで快適に過ごせるウェアを企画。タイムレスなデザインに落とし込み、多用途に対応できるよう改良を重ねています。 柔らかく伸縮性のある着心地がデイリーウェアとして活躍するのはもちろん、また高い保温性により、バイクツーリングや釣りなど、寒さがこたえる場面でもその真価を発揮。冷えを感じたときに、自然と手に取ってしまうーーそんな冬の定番ウェアとして、皆さまの生活に寄り添えることを願っています。

 

暖かさの理由はきめ細やかな裏起毛

YETINA製品の最大の特徴は、多くの製品に門外不出の特許技術により作られる「鷲尾式起毛」のパイル生地を使用していることです。一般的な起毛生地は片面をパイル編みにし、そのループをカットすることで毛羽立たせています。この場合肌に触れる面の保温性は得られるものの、カット部分から空気が逃げやすいため断熱性が限られてしまいます。

これに対してYETINAの特殊な起毛生地は、暖かい空気を閉じ込められるよう、パイルのループをカットせずにパイルそのものの上部を毛羽立たせる特殊な起毛技術を用いています。この構造によりパイルと起毛の両方の特性を最大限に活かすことを可能にし、二重の空気層を形成することで高い保温・断熱性を実現しています。


また、この特殊な生地を構成する糸は長年の間に改良を重ねたどり着いた、アクリルとウール、ナイロンを混紡した糸です。鷲尾式起毛素材に適したより暖かさを感じられる配合となっており、天然繊維100%の生地よりも軽く、保温力にムラができにくいバルキーな生地に仕上げることができます。 防寒ウェアの中には発熱素材を使用したものも多く存在していますが、YETINAでは体温を自然に保持することを重視し、起毛によって身体から発せられる熱を逃がさないように工夫しています。このため、体温調節機能を妨げず、無駄に熱くならず、体に優しい着心地を提供しています。

 これは YETINAのスウェットシャツに用いられている生地と、他社の同等の厚さの生地の保温性を比較したグラフです。一定の条件下* で保温率を比べると、 他の素材や起毛と比べてYETINAの保温力が高いことが証明されました。 * 常に30℃になるように温度制御された熱板上に実験用の生地を置き、上部から20℃の風速 0.3m/s の風を送る実験にて。保温率は、熱板30℃を維持するための消費電力と生地を置いて維持したときの消費電力から計算しています。熱板が30℃を維持するための消費電力が少ないほど、生地による保温力が維持されていることになります。

 

ガラパゴス的に進化した、唯一無二の技術

着心地が柔らかく伸縮性のあるYETINAのウェアとは対照的に、それらが生まれる工場では重厚感のある金属製の編み機が整然と並んでいます。 YETINAの生地を編むこちらの丸編み機は50年以上前に製造された「B式靴下編み機」が元となっていますが、さまざまな編み地を作り上げ、特許技術である「鷲尾式起毛」を実現するために、さまざまな改造が重ねられています。 工場には金属加工を行える設備があり、溶接、研磨、焼き入れをしながら完全にオリジナルのパーツを作り出し、独自の進化を遂げてきました。

 現在も稼働している100を超える編み機は、ハイテク化が進んだ現代においても、歯車とチェーンによってアナログにプログラミングが行われています。また糸のセッティングはもちろん、編む生地によってヒゲ針という数百〜数千本ある編針を取り替える作業も必要で、均一なクオリティを保つためには職人の手による調整とメンテナンスが欠かせません。 これらの機械は最新式の編み機のように一度に大量生産を行うことはできませんが、この独自進化を遂げた旧式の丸編み機にしかYETINAの優しい起毛生地は作れないのです。

 
ゆっくりと編み立てながら、同時に生地の内側に特殊な起毛加工を施すため、1時間で編み上げられるのはわずか1m程度。起毛を均一に仕上げるためには低速での編み立てが必要で、起毛なしのニット生地と比べると倍以上の時間がかかってしまいます。 それゆえに大型の編み機一台あたりが1日で編み上げられるのは、スウェットシャツ約8着分。こうして時間と手間をかけて完成する YETINA の生地は、比類のない高い保温性と優しい肌触りを備えています。